Suzuki Laboratory

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Past Activities 2024


令和6年度 関西医療大学 卒業式、大学院保健医療学研究科 修士課程 修了式が挙行されました。

鈴木研究室では、大学6名、大学院修士課程6名が旅立ちとなりました。卒業生のうち3名は本学大学院に入学、修士過程6名のうち4名は大学準研究員で研究を続けてくれることになりました。また、今回、修士過程の修士論文の審査で安井さんが優秀論文賞をいただくことができました。
このように鈴木研究室は、卒業・修了しても研究を継続してくれることに嬉しく思います。
また、皆さんから様々なプレゼントをいただきました。本当にありがとうございました。









福本先生の論文がNeuroscienceに掲載されました。

50日間(2025年3月23日)までは,無料で全文が見れるようになっております。
https://authors.elsevier.com/a/1kXYM15hTu0mJL



Fukumoto Y, Bizen H, Todo M, Kimura D, Suzuki T.
Age bias in changes in finger dexterity based on brain activation and spinal motor nerve excitability induced by motor imagery practice.
Neuroscience. 2025 Jan 27:S0306-4522(25)00066-1. doi: 10.1016/j.neuroscience.2025.01.050. Epub ahead of print. PMID: 39880299.

運動イメージ練習(MIP)が手指の巧緻性に与える影響を,若年者と高齢者で比較し,脳活動と脊髄運動神経の興奮性を評価しました。
MIPは,高齢者でも手指の巧緻性を改善し,同じ傾向として脊髄運動神経の興奮性を高めることが示されました.
脳の活動分析では、若年者ではMIP中に補足運動野(SMA)の活動が増加しましたが,高齢者では変化が見られませんでした.しかし,機能的結合分析では、両グループでワーキングメモリ(WM)ネットワークが形成されました.
また,因果結合分析では,SMAが脊髄運動神経の興奮性の変化に関連していることが示唆されました.
従って,運動イメージによる加齢変化は生じており,若年者と高齢者では,脳活動は異なりました.しかし,手指の巧緻性の向上を見込むことはでき,この技能変化と同じ特徴を反映したのは脊髄でありました.
運動イメージの質的側面を把握する点で脊髄運動神経機能の興奮性変化を追跡することが有用になると考えております。


タイトル:「言語的な側面を担うワーキングメモリ機能によっても運動イメージ効果は変わってしまうのか?」

運動イメージとは、運動実行を伴わずに、運動を行うことを想像する一連の心的過程であるとされています。運動イメージはワーキングメモリ機能を活性化することで生まれるため、このワーキングメモリ機能が相対的に低い者の場合には,高い者と同等に運動イメージ効果を享受できるとは限りません。そこで,本学保健医療学部 理学療法学科 福本悠樹講師、東藤真理奈講師,大学院 研究科長の鈴木俊明教授は、運動イメージ効果とワーキングメモリ機能の関連性について検討を行い、その成果は国際誌Cognitive Processing(https://doi.org/10.1007/s10339-024-01231-y)に掲載されました。


-研究の概要-
これまで、視空間スケッチパッドに一時的に保持された情報に対して中央実行系がアクセスすることで、運動イメージが生成されるとされており、音韻ループもこれに関わるのかは明らかでありませんでした。この点を検証した結果、言語情報に関わる短期記憶貯蔵容量が低い群では、運動イメージ中に脊髄運動神経機能の興奮性が増大しやすく、運動技能改善も認めるが、高い者のそれと比べると劣ることが明らかとなりました。


-研究内容-
Digit Spanの逆唱から音韻ループを、Stroop testから注意機能を評価しました。その後,能力によって振り分けられた各群に対して、安静と比較した運動イメージ中での脊髄運動神経機能の興奮性を振幅F/M比から評価し、手指巧緻性はPegの点数で評価しました(図A).
結果、言語情報に関わる短期記憶貯蔵容量の低い群では、運動イメージ中に脊髄運動神経機能の興奮性増大を認めつつ手指巧緻性が向上しました。高い群では、運動イメージ中に脊髄運動神経機能の興奮性増大は認めず、手指巧緻性が(低い群よりも)向上しました.注意機能の側面では、能力の違いによる差は生じ得ませんでした(図B)。


-本研究の臨床への活用-
健常若年者では、言語情報に関わる短期記憶貯蔵容量と違って、注意機能には個人差は大きくは生じ得ないとされており、注意機能が運動イメージ効果を左右しないとは言い切れません。ただし我々は,口頭指示の下で運動イメージ実行を指示し(対象者は言語情報を変換し運動想起を行う)、イメージ中には発声を伴わずとも心的には発声する(subvocal)ことも多くあります。従って、運動イメージ生成の元記憶とはならないものの、運動イメージ効果(脊髄運動神経機能の興奮性変化と手指巧緻性の変化)には影響する可能性があります。臨床への活用の際には、運動イメージ効果を示しやすい者と示しにくい者をスクリーニングしておく重要性が明らかとなりました。

-論文情報-
Fukumoto Y, Fujii K, Todo M, Suzuki T. Differences in working memory function are associated with motor imagery-induced changes in spinal motor nerve excitability and subsequent motor skill changes. Cogn Process. 2024.


幕張メッセで10月9日(水)〜11日(金)で行われますメディカルジャパン東京 健康サポートE X P Oで大学院研究科長・教務部長 鈴木俊明教授が講演されます。

鈴木俊明教授は、10月11日(金)12:30 ~13:45のセッションで「人生100年時代、フレイル予防にどう取り組むか」についてご講演されます。先生の講演内容は、歩行能力を維持するためには筋へのトレーニングは大事ですが、バランス機能を維持させること、そのためには感覚機能も大事であること、また歩行動作を正しく把握して必要な筋へのアプローチが重要であることをお話しされる予定です。

https://biz.q-pass.jp/f/9689/medical_t_seminar24/seminar_register


The International Society of Electrophysiology and Kinesiologyに本学教員が参加

2024年6月26日から29日にかけて、the International Society of Electrophysiology and Kinesiologyが開催されました。この国際学会は、電気生理学の分野における専門家が集うものですが、研究科長の鈴木俊明教授、理学療法学科の東藤真理奈講師と福本悠樹講師,そして関西医療大学大学院 博士後期課程の黒部正孝さんが発表しました。下記に詳しい演題情報を記載していますのでご参照ください。

The persistence of F-wave does not change with stimulus intensity from submaximal to supramaximal stimulation, but the shape of the F-wave waveform is completely different
Toshiaki Suzuki, Marina Todo,Yuki Fukumoto, Makiko Tani, Naoki Kado, Fumiaki Okada, Masaaki Hanaoka

Relationship between finger dexterity and anterior horn cells of the spinal cord -Investigation by waveform analysis of F wave-
Marina Todo, Yuki Fukumoto, Toshiaki Suzuki

The motor imagery content as a reflective report and the skill gains brought about by motor imagery may be consistent
Yuki Fukumoto, Marina Todo, Toshiaki Suzuki

Changing the position of the stimulating electrode reduces the pain when recording the F-waves from the vastus lateralis muscle






第61回日本リハビリテーション医学会学術集会へ本学教員が参加


2024年6月13日から16日にかけて、第61回日本リハビリテーション医学会学術集会が渋谷で開催されました。当学会はリハビリテーション医を中心とした学術集会ですが、研究科長の鈴木俊明教授が教育講演「F 波波形分析から考える運動機能評価」と一般演題座長、理学療法学科の福本悠樹講師が一般演題「ワーキングメモリ機能の違いが運動イメージ効果としての運動技能と脊髄レベルの興奮性変化に関連する」を発表しました。下記に詳しい演題情報を記載していますのでご参照ください。


【教育講演】
鈴木俊明
F 波波形分析から考える運動機能評価

【一般演題】
福本悠樹,藤井啓介,東藤真理奈,鈴木俊明
ワーキングメモリ機能の違いが運動イメージ効果としての運動技能と脊髄レベルの興奮性変化に関連する








Title:運動イメージを併用した運動練習効果とは?脊髄運動神経機能の興奮性変化からの検討

記事内容:

例えば、「筋力が上がったのに・・・」「関節可動域が拡大したのに・・・」いまひとつ動作改善が定着しないといった悩みは臨床上多くあります。何らかの疾病により運動技能が失われた場合、その運動練習を繰り返し、適切な運動の再学習を図っていく必要があります。この”適切な運動の再学習”を、より高い効果として得ていくためには、どのような工夫がなされるべきか?理学療法学科の福本 悠樹 講師、東藤 真理奈 講師、そして研究科長の鈴木 俊明 教授らは、運動イメージ(意識的に脳内で運動を企画し、さらにその実行を心的にリハーサルする過程)を利用した運動練習の反復効果について、脊髄運動神経機能の興奮性変化と共に検討しました。本研究の実施に当たっては、公益社団法人 明治安田厚生事業団より、第38回若手研究者のための健康科学研究助成を受けました。
この研究成果は国際誌Heliyon
https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2024.e30016)に
掲載されています。

-研究の概要-
何らかの疾病により運動技能が失われた場合、運動練習を繰り返し、適切な運動の再学習を図っていく必要がありますが、一方で反復した運動練習効果には天井効果も存在し、一挙に得られる即時効果には制限がかかることも知られています。そこで、各運動練習後に訪れる休息時間には、直前に行った運動遂行時の記憶から誤差を考慮して、運動プログラムの修正が行われている点に着目し、ここに心的な記憶の再生とされる運動イメージを挿入することで、より高い運動練習効果を導けるのではないかと着想しました。このような手法は、過去にも検討されていましたが一定の結果は得られておらず、その原因としては神経基盤(特に脊髄運動神経機能の興奮性)の検討の不十分さに起因するとされていました。そこで、脊髄運動神経機能の興奮性変化と共に運動練習と運動イメージの併用効果を検討したところ、運動技能習熟過程では脊髄運動神経機能の興奮性増大は抑えられる必要があることが示されました。さらに運動練習と運動イメージの反復により運動技能は向上し、これは運動練習単独実施の場合よりも技能向上の度合いが大きくなることも明らかとなりました。

-研究内容-
母指と示指によるピンチ動作における力量調整課題から手指巧緻性を評価しました。介入条件では運動練習と運動イメージの組み合わせ練習を6セット反復実施し、コントロール条件では運動イメージを安静に置き換えて同様の流れを実施しました。安静と比較した各運動イメージ中の脊髄運動神経機能の興奮性変化は、振幅F/M比を用いて評価し、運動技能変化は発揮ピンチ力値と規定値ピンチ力値との調整誤差の絶対量(絶対誤差)を指標としました(図A)。
結果、運動練習と運動イメージの反復により絶対誤差が減少し、これは運動練習単独実施の場合よりも運動技能向上の度合いが大きくなることが明らかになりました。また、安静と比較した各運動イメージ中での振幅F/M比は増大を認めなかったために、運動イメージはリアルタイムな運動遂行予測に基づき脊髄運動神経機能の興奮性増大の程度に関わっていることが示唆され、運動技能習熟過程では興奮性増大の必要性がない可能性が示されました(図B)。

-本研究の臨床への活用-
獲得したい運動の反復練習を実施する際には、必ず休息期間が挟まれることとなります。運動イメージは特別な機器を必要とせず、時間や場所の影響も受けにくいため、簡便に行うことができます。そのため、単に休息期間とするのではなく、この間に運動イメージを実施させることで、即時的な運動技能改善を大きな効果として得られる可能性があります。

-論文情報-
Fukumoto, Y., Todo, M., Suzuki, M., Kimura, D., Suzuki, T. (2024) Changes in spinal motoneuron excitability during the improvement of fingertip dexterity by actual execution combined with motor imagery practice. Heliyon 10, e30016





本学大学院修士課程 修了生 野村 真先生の論文が英文誌 Muscle and Nerve に掲載されました。

本学大学院修士課程 修了生 野村 真先生(日本医科大学大学院医学研究科リハビリテーション学分野、日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科)の論文が英文誌 Muscle and Nerveに掲載されました。イメージの生成や操作という,目には見えない2次元または3次元の物体の心的表象を回転させる能力であるメンタルローテーション(MR)課題中の脳活動の変化については多くの報告があるが、脊髄前角細胞の興奮性の変化は明らかではない。本研究では、健常者を対象として手指画像のMR課題が脊髄前角細胞の興奮性に影響を与えるか否かをF波解析にて検討した。MR課題は、同じ身体部位に対応する脊髄前角細胞の興奮性を増加させる。MR課題は、脊髄前角細胞の興奮性が低下している患者の運動機能を改善する可能性があることがわかりました。野村先生は、現在、日本医科大学大学院医学研究科リハビリテーション学分野 青柳陽一郎教授のご指導及び本学大学院研究科長 鈴木俊明教授の協力により論文が掲載されました。本当におめでとうございます。 

Nomura M, Aoyagi Y, Suzuki T
Changes in the excitability of anterior horn cells in a mental rotation task of body parts
Muscle Nerve. 2024 Mar 15. doi: 10.1002/mus.28082. Online ahead of print.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38488222/